怒りや悲しみを否定しないで、ごまかさないで、表現する大切さ〜駐在生活によせて

今日はちょっと心の中のもやもやを整理するために長々と書いてみます。お時間あるときによかっやらどうぞ。

子育て初期にセミナーを求めた理由

自己啓発セミナー、みたいなものに、私、以前、結構通っていました。アドラー心理学や、コーチングや、アンガーマネージメントや、あるいはいいと聞いた子育て本を読んでみたり。
なぜか?子どもが生まれてからというもの、自分の中にある凄まじいまでの怒りに、自分で驚いたからです。
私、自分のこと、独身の頃は、割と温厚な人間だと思ってたんですよね。
でも結婚し、出産したとき、年端もいかない最愛の娘を、なぜかとても叱り付けてしまう。
寝たと思ったら起きちゃった、とかで。自分でもどうしていいか分からない。
今ならそれはなぜか説明できます。いくつか理由があります。
①自分の力でなんでもコントロールできる、すべきという間違った認識があった。独身の頃はそれができたんですよね。子育てでそんなのできないです。無理ゲーです。
②自分より子どもを優先しないと!というぼんやりした「自分をないがしろ」があった。自分でそうしたくないのに、なぜかそう決めてしまってたのです!無意識こわっ!
③パートナーに苦しさを相談しなかった。1人で解決しようとしたので、辛さが倍になった。そもそも、そこまで苦しいと自分でも認められなかったんですよね。

子育てと駐在、根っこは同じ

これを裏返すと
①自分でコントロールできることなんてほとんどないと潔く諦める。
②自分のことを最優先に近いくらいに大切に扱う。
③相談できる人を探してアウトプットする。
という対処法をすれば、そこまで苦しく悩むことはなかったんですよね。
で、これ…
お気づきかも分かりませんが…
「駐在生活で追い込まれた場合」の対処法とよく似ているんです。
駐在生活だけじゃないけど!
まあ一般的に何かに追い込まれるって、似てくるんですよね。

自分を追い詰めるキーワード2つ

それで、そこにまつわるすごく大きな二つのキーワードがあります。
「べき」と「たい」です。
東京タラレバ娘の「たら」と「れば」じゃないですが…
追い込まれるとき、そこにはたいがい周りから押し付けられ、自分でもそうだと思い込んだ「べき」があり、自分の中に隠されてしまった「たい」があると思うのです。
だから、自分の中の「たい」、つまり何がしたいのか、を、じーっと見ることがとても大事だと。
自分のことだけど巧妙に隠していて、見つけることが本当に大変だからね!あの手この手で探すべし!でねー!
ここ声を大にして一番言いたいのですけど。
怒るとか、悲しいとか、そういうネガティブな感情って、我ながら嫌ですよね。
分かります、しんどいです。そんな感情が自分の中にマグマみたいに波打ってるって気が付きたくないです。でも!でもー!!!
怒りや悲しみはとても大事な感情です。絶対否定しちゃいけないです。

ネガティブな感情を大切にしたほうがいい理由

なんで私こんなに怒ってるの?なんで私こんなに悲しいの?って問いかけることは大切で、意外と「お腹空いてた」とか、逆に昔の嫌な記憶と連動してたとか、まあ色々理由があると思うんです。
とにかく怒ること、悲しいことがダメなんて、そんな風に思ってほしくないです。
だって今ここにあるんだもの。感情は理論によって消えたりしないエネルギーなんだもの。
その時の感情は自分そのもので、それを否定することは自分の全否定になるんだもの。
怒りたいときは力いっぱい怒ったらいいし、悲しいときは泣けばいい。別に人に伝えなくてもいいんです、いっぱい感じきるんです。百歩ゆずって、「ああ今私怒ってるな」って認めるだけでもいい。
とにかく今の感情をなかったことにしてはいけないんです。
自分でジャッジも必要ないです。
自分に共感すればそれでいいんです。

ポジティブばかりが「いい」わけではない

毒を吐くと、自己啓発って、なんか今の私には、すごい拒否感があります。
特に、笑顔輝くイキイキとした私になる!というような、ポジティブ前面のものが今の私にはキツく感じます。ポジティブがいいのはわかってる。でも、ポジティブ100%な人間は、私は魅力的だとはどうしても思えない。不自然だと思う。危うく感じる。
そして、そういう自己啓発的な情報が、「そういう風に生きるべき」という押し付けに感じるので
キツイんだと思う。
いや自己啓発そのものを否定とかではないです!必要だからあるのだと思うし、そこで救われる人もたくさんいると思うので。ただ、今の私にはキツイだけ。私は救いを自分の内側で探したいだけ。
歳を取って、ちょっとスレちゃったのかもしれない。
でもまあ人間なんだから、めんどくさかったり、愚痴を言ったり、嫌な感情が湧いてきたり
して当然で…それをダメだからなかったことに自分でしようとするから、息苦しくなっちゃうんだよね。…って、はいぽんさんのブログ見て思ったのでしたよ。
はいぽんっ!〜hybrid PONKOTSU
このあがきっぷりを克明に描写できるところ、流石だなぁ。そしてブログに公開するっていいなあ。
駐在を通じて、きっと誰もが一度は通る道ではないのかなと思う。

もうこうなったら堂々とネガティブで行きましょう。そのうちネガティブに飽きて、自分がやりたくなったらポジティブもやりましょう。両方あるのが自然なんだからねー。行ったり来たりだね。

コメント

  1. pearly-shells より:

    SECRET: 0
    PASS:
    ちょっとハッとしました。私、べきだらけです。
    夫は駐在経験あり、先の駐在地と比べてバンコクは天国だと聞かされていましたが、私は人生初の駐在帯同で、天国と言えども不慣れなので、ネット検索しまくって、先輩方のブログ情報助けられ、どうにかやっています。
    でも、同時にそのキラキラ生活に感化され…駐妻らしくなる「べき」…って思っていたかもです。いや…今も思っちゃっているかもです。
    どこで暮らそうと自分らしく暮らしていいはずなのに。
    自分で自分を縛ったくせに腹を立てていたのかもしれません。ハッとしてちょっと落ち着きました。ありがとうございます。

  2. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >pearly-shellsさん
     
    わかります!!
    私も駐在始まってすぐに、「べき」に取り囲まれて、息ができなくなったことありました。
    「べき」って、割と自分の考えのような顔をしてぐいぐい入ってくる巧妙なヤツなので、真面目で一生懸命な人ほど、べきで行動しちゃうんですよね。
    駐在生活、キラキラもとても魅力的なので、そうなりたいなぁと思えば、ちょっと真似したり、少しずつそうなっていったりするのもいいですよね!!

  3. AKAI (^_^)/ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    さすがさすが
    hokkoriさんもはいぽんさんと同じく
    「立て板に水」のごとく
    素晴らしい文章を書きはる!
    「べき」論 納得
    「べき」と「たい」の狭間で頑張る
    駐在妻さんたちは本当に偉いと思います
    また「べき」論とは違うけど
    自分自身に置き換えると
    世間一般のタイの駐在員なんて
    どうせ遊んでるんやろという思い込み
    (遊びには色々とあります)
    これがしんどい 嫌いです
    なんかね
    遊んでないと罪みたいな
    損してるみたいな
    今を刹那を楽しめという そんな風潮
    サラリーマンとして
    付き合いがあるからめちゃくちゃ疲れる
    話を合わせたり無理やり盛り上がったり…
    でもね おっしゃるとおり ときには
    自分の本当の感情を出すのが必要と思います
    怒ったり泣いたり笑ったり
    感情を剥き出しに出来るところや時間を
    大事にしなきゃいけませんね
    素敵な記事をありがとうございます
    m(_ _)m

  4. SECRET: 0
    PASS:
    おっしゃる通り「べきどん」は超曲者ですよね!
    私は2人目を出産後何故か急に「子育てだけじゃなく自分の趣味を持つべき!子育て中でも楽しまなくては!」と当時日本で流行ってたトールペイントやカントリードール作りを2人の乳幼児を抱えながら必死でやろうとして、家の中がぐちゃぐちゃになり不機嫌な生活を送るという負のサイクルにハマった事があります。
    そんな時3人目が出来 あーもうお手上げ!
    と何もかも辞めるしかない状態になり、やっと 「私にゃ出来ないよぉ~」と言えるようになりました。自分のキャパを超えてることにやっと自分で気づいたと言うか…。
    今子育てもなく夫婦で中国で暮らしていても ヤツがたまにやってきます。
    「べきどん」はいつのまにか自分の中に入ったきて不安を掻き立てまくります。
    「べき!べき!」言ってきたら
    「ええじゃないか(^^) ええじゃないか(^^)」と笑って跳ね返せるようになりたいものですね~。

  5. mickey1979 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    私たちせっかく「たいランド」に住んでいるのだから
    やりたいことばっかりやればいいよね!

  6. mii より:

    SECRET: 0
    PASS:
    「毒を吐くと、
    自己啓発って、なんか今の私には、
    すごい拒否感があります。
    特に、
    笑顔輝くイキイキとした私になる!」
    私はやっぱり、ちょっと性格が既に捻れを通り越しよじれてるのであえてブログ記事のそこをフォーカスするけれど。
    毒のところもこうしてほっこりさんは
    上手くまとめられてる。
    自己啓発の不自然感。。。
    わかる!!
    でも、何かやらなければと思ってる頃、焦ってる頃。
    怒りや悲しみに蓋をしてる時は、もう前がみえなくなってるよね。
    そんな時は、、、
    私は変なスピチュアルなブログを読み一喜一憂してたし、
    笑顔輝く生き生きとした私になるを目指してたなぁ。。。
    他人の自己啓発さえも眩しい。
    ってなってたなぁ。

  7. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >AKAI (^_^)/さん
    貴重な「駐在員」の立場からのご意見ありがとうございます!
    自分の旦那さんがどんな状況でどんなストレスを抱えているのか、妻は意外と分からないものなんです…(え?私だけ?)
    男性はさらに過酷そうですね。
    仕事だと思うと、生の感情も出しづらいでしょうしね…
    バンコクは「ラク」な駐在地ナンバーワンとか言われているし、実際そうなのかもしれないですけど、だから苦労がないかというと違いますよね。

  8. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >シープたま子さん
    私も3人目出産後、同じように感じて焼き菓子を大量に焼いていました。
    今思えば、それはそれでとっても楽しかったですが、インドに移動したときに、「ホントにやりたい人はインドでも焼いている」という事実に衝撃を受け、「ホントにやりたいこと」ではないということに気がついてしまいました。
    中国でつつがなく暮らすだけでも、なかなかのものだと思います。
    「べきどん」には邪魔してほしくないですね!
    ええじゃないか、ええじゃないか精神、私も大切にしたいです。

  9. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >mickey1979さん
    ホントだね!
    考えてみたら、ディズニーランドよりも
    大人にとっての夢の国かもしれないわね!!

  10. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >miiさん
    私もそうでした。
    キラキラな自分になりたい!と思って足掻いていました。
    そして、いつかまたそうなりたいなと思っている自分もいるかも。
    モヤモヤするってことは、何か引っかかってるってことなんですよね。良くも悪くも。
    できれば酸いも甘いも噛み分けた状態からの、自然な前向きがゴールなのかもねー!!

  11. モリゾ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    日本人をしていると
    ポジティブじゃなきゃいけない
    明るくなけりゃいけない、
    常に前向き、みんな平等で仲良し
    お母さんになるとさらに優しさまで求めてくる
    そんなのどうでも良いと思います
    私は10年くらい前から鬱病で精神安定剤が手放せませんでした
    朝も起きられず、家からも出られず
    どうしても行かなければいけない時には
    帰ってくると寝込むくらいの頭痛と耳鳴り
    でも、
    そんな状態の私を見た主人が
    航空券手渡してくれて
    好きにして来いって放り出してくれました
    旅先で口もきかず根暗で嫌味で
    自分勝手な日本人してました
    でも、誰も気に留めもしなかった
    きっと人それぞれ、他人がどうでも気にしない
    でも、困ってたり
    頼られたり、一緒に楽しむのもOK
    って感じなんですよね
    自分を作る必要も、合わせる事も必要無い
    って事知りました
    その時から日本で息苦しさ感じると
    旅に出る、自分に戻るを繰り返してます
    自己啓発して無理に自分を窮屈に変える必要は無いですよ!
    そのままでほっこりさんは素敵です!
    私も最近やっと日本にいても自分流に生きられる様になった気がしてます
    長文でごめんなさい
    超ネガティブ モリゾ より

  12. hokkori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >モリゾさん
    なんて素敵なご主人でしょう!!!
    まずそこに感動です。
    そして、この文を何度も読んでいてじわっとこみ上げてくるものがありました…。
    辛くて苦しい道を
    少しずつ抜けてこられたんですね。
    その助けとなったのが海外の国々だったというのが、もうすごく色々なことを象徴しているようで、胸に迫ります。
    祖国なのに、その国で
    日本で自分流に生きることが
    どれほど難しいことなのか…
    モリゾさんの長文コメント嬉しいです。
    ありがとうございます!

タイトルとURLをコピーしました